「プロダクトアウトとマーケットインの組み合わせ」
自分たちの日常の生活のフィルターを通して得られる情報は、企画の原石になるのですが、 原石をそのまま商品化しても、多くの場合うまくいきません。
よく言われる、(言われ飽きた?) 「プロダクトアウトの発想(生産側からの思い入れ・技術からの発想)ではダメ」 だと言われる例です。
どれだけ自分に取っては輝きを感じる石でも、
人から見たらただの石としか受け取られないことは当然です。
自分が大切にしている趣味のコレクションを、
家族(嫁・母)に無用な物として扱われることもあるように(笑)。。。
自分の「これが売りたい!」「この生活スタイルが全てだ!」という
自分自身から湧き出る熱い思いは、 モチベーションの維持のためには
最大のエネルギー源になりますが、 他者とのコミュニケーションをベースとする商業分野で
ものを成立させるためには、それだけでは片手落ちです。
自分以外の生活者の五感、意識のフィルターや、考え方が どのように
働いているのかを可能な限り客観的に把握し、 理解してもらえるような形に加工したり
翻訳する作業が必要になります。
しかし一方で、マーケットインの発想(マーケットの情報を起点に発想する)が
絶対的に正しいわけでもないと思います。 マーケットの調査だけから得られるモノは
客観的に答えを出そうとすればするほど、 誰でも同じ答えに帰結しがちで、
間違ってはないが、面白くない輝きのない企画になりがちです。
ですから自分の体験に基づいたプロダクトアウトで企画の原石を生み出し、
マーケットの視点からどのように削り、磨けけば輝きを認識してもらえるか?
プロダクトアウトとマーケットインの両面の視点を、
段階に応じて使いながら、企画を形にしていかなくてはならないと私たちは考えています。