NEWS

人を見て、人に聞く【その2】

Sep 16, 2009

続きで、、、客観的に街・人を見て調査するのと同時に、 実際の人の声を聞くことも不可欠です。
以前のロイヤルガーデンカフェの開発途中にも、 近隣のオフィスで働いている方々に 何度も
ヒアリングをしたのですが、 伊藤忠本社の方と、日本オラクル本社の方では、
ランチに対する金額意識が全く違って驚きでした。

平均年収は、どちらも同程度の高給取りの方々ですが、 1人1人の個人差はありますが、 伊藤忠の方々は1000円がリミット、 オラクルの方は1400円ぐらいかなぁ~と。
具体的には、オラクルさんは以前の本社の近くには、 高いランチしかなかったということや、 給料・契約形態の違いによる可処分所得の差や、 扶養家族の有無などから、金銭感覚の違い が出てくるんでしょうけど。

やはり、現地を見てるだけでも分からないですし、 人に聞くだけでも分かりませんので、複数の方法で多面的に、 お客様像を捕まえていく必要があります。
当然、自意識の中の生活者意識や、蓄積している情報を掘り下げていって、 アイデアを生み、それを形にして新しい価値を提供しようとする事も大事ですが、 こと街中で、日常生活に深く関わろうとする業態・場を提供するためには、 そのアイデアをコケさせない(笑)ためにも、大事な地道な行動だと思います。
一方で、広域から人を招く業態を目指す場合は、当然、別の手法が必要になります。 (アウトレットモールや、ウェディング施設を作るのに、 すぐ近くの住民ばかり調べても意味ないですし。)
店舗を開発する人達はぜひ行ったほうがいいと思います。

いろいろな職業の方や、美しい女性と出会える機会にもなりますし(笑)

人を見て、人に聞く【その1】

Sep 15, 2009

アークヒルズカフェもそうですが、
僕らは店・商業施設を開発する際に、実際に何度も現場に足を運びます。
平日の朝~夜。休日の朝~夜。街によっては深夜・早朝も。

そこで何を見るかというと、通行量による歩留まりがどうこう?というよりも、
どのような生活意識・価値観(つまりはライフスタイル)を持った人達が、
その土地で活動しているのか?を把握するためです。

例えば、夕方のスーパーの前に立って観察しているだけで、 いろいろなおばちゃん(笑)からでも、 様々な街のライフスタイルの情報が読み取れます。
1人か複数客が多いか、客同士の会話があるかないか、 外出を意識した服装なのか、
家着のようなトレーナーなのか? またそのブランドは? etc . . .
から、 生活意識から街のコミュニティの成熟度までを把握します。
 
「東京の街だったら、だいたい分かるじゃない。」
という方もいますが、 実は全然分かっていないものです。
僕は以前、西麻布の会社に5年勤めていたのに、 あるプロジェクトのために一日中、西麻布の交差点に立っていると、 こんな人達いたっけ? と思うようなタイプの人達と次々と遭遇します。
人は自分が働いている、生活している土地に詳しいと思いがちですが、 活動の範囲・時間帯が、割とパターン化していることが多くて、 見えていない側面が本当に多いのだなぁと。 (早退した帰り道は違う風景に見えるように)
インターネットや、データベースの発達で、 定量的な数値(行政が発表しているようなモノ)は、 比較的手に入りやすい状況になっていますが、 街の情報はやはりその街に自分が立たないと分かりません。

どれだけGoogleのストリートビューが発達しようとも、 流れゆく人々の様子や、競合店の味・雰囲気を把握することはできませんし。 (そのうちできるようになるかも? Google恐るべしですから。)
こんなことならgoogleでも(笑)。

アークヒルズカフェ

Sep 14, 2009

明日が引渡です。
掃除に励む、窪田事務所の関田君と本田さん

o0443033210253608528
あっ、ここでも。

o0443033210253609382
オープンまでもう少しです。
引渡が終われば、これからホール・キッチンのトレーニングに入ります。

やっと店が息づき始めますね。

いたるところに幸運の豚が。。。

o0531039910253610805

H Tokyo

Sep 10, 2009

昨日は、ある店舗ブランドの方達を、
H tokyoというハンカチ専門店にご紹介しに三宿へ。

H tokyoを経営されている間中さんは、
IID世田谷ものづくり学校の副校長でもあります。
大人の男性をターゲットにしたハンカチ専門店で、
様々な種類のハンカチが取り揃えられていて、
どれもアイデアが感じられるデザインです。

単に平面のグラフィック的なバリエーションだけではなくて、
明確なコンセプトにもとづいたいくつかの商品ラインや、
生地へのこだわりなどの深みが感じられて、
このような商品作りができていることに、あらためて感動しました。

こういった取り組みをされている方にお会いすると、本当に刺激を受けますね。

ハーゲンダッツ ラ メゾン ギンザ

Sep 9, 2009

またしても頂き物です。 高級時計でも入ってそうなパッケージ。
t02200165_0472035410250149403 実は、この夏に銀座にオープンしたハーゲンダッツの旗艦店
(ハーゲンダッツ ラ メゾン ギンザ)のアイス。
t02200165_0425031910250149406 1260円ですから、一粒250円!です。

甘いモノはそれほど得意ではないのですが、このぐらいのサイズであれば、
誰でも食べられますし、味は確かに美味しい。
普段使いは当然できませんが、、、贈り物には人気になりそうです。
同じようなサイズの、森永PINOは100円で6つですが、贈り物にはなりえません(笑)。

PINOと言えば、勝手な仮説で、「売れる理由」はあのサイズ感とパッケージだと思ってます。
特に女性が、自分に言い訳できる要素が詰まっているとでもいいましょうか・・・。
女性でアイス好きだからといって、「スーパーカップ」とか「ガリガリくん」を
街中でガッツクわけにはいきませんが、PINOであればかわいらしく見えますし。
ひとつが小さいので、”私はそれほど甘いモノを食べてない感”がある(笑)
さらに食べ残しておいて、2度食べしても貧乏臭くない。。。
うーん、よくできてます。PINO。

本題のハーゲンダッツの店は、いろいろと飲食もできるようです。
一度行かなくては。

老舗クッキーと、究極のブランディングなど。

Sep 8, 2009

日本を代表する企業と言ってもいいお取引様の方から、美味しい超高級クッキーを頂きました!!
缶はサイズの割に異様に重い。。。 t02200294_0425056710249358005 t02200294_0425056710249357997 t02200294_0425056710249357982 表面からは見えないですが、小さめの缶の中には27種類ものクッキーが。 初めて知ったのですが「村上開新堂」といって、明治7年に創業した老舗のクッキー。 紹介でしか購入できないとのこと。
世の中には、まだまだ知らないものがあるものです。  >MORE
こういった老舗の物や、サービスに触れると、長く認められ続けるモノ・店になるような 究極的なブランディングには、どのような条件が必要なのか? と軽く(笑)考えてみたりします。

1. 常に変わらぬ価値(例えば”おいしさ”)を提供し、
    ユーザーの頭の中で安定したイメージを蓄積させられること。

2. その価値が、多くの人の間で共有できるものであり、
     世代の変遷においても 引き続き伝達・伝承できる価値であること。

この2つを最も体現している究極にブランディングされたモノは? と考えると、
ヴィトンでも、フェラーリでもありませんね。それらは「機能」がありますから。
僕の中では、現在のところ「貨幣」こそが究極のブランディング商品と 言えるのかもしれない思ったりします。 単なる印刷された紙片に、国境・文化を超えることさえ可能にさせる価値を与え続け、 世代が変わろうともその価値は引き継がれる。(まあ、インフレとかはありますが。。) このブランディングには何も勝てませんね。

あと、3週間+ちょっとで

Sep 3, 2009

o0591027410242256613
o0589032810246365090
現場は急ピッチの様子。
今回は私は、皆さんの活躍を見守る立場ですが、良い店になりそうですよ。

本の値段

Sep 2, 2009

ふとamazonで検索していたら、
浜野商品研究所コンセプト&ワーク

なんと28円(中古)。。。

僕ら(本田さん、私、etc . . . )の職業を決めたともいえる、あの名著が!!!

この本、商業にかぎらず、何かを企画する仕事に関わる人達には、
絶対に呼んで欲しい、というか”感じて欲しい”と思う書籍です。

今読んでも、全く古さを感じない。
軽々しく「ライフスタイル」「コンセプト」「プロデュース」「ブランディング」などの言葉を
使ってしまっていることを、自省させる文章力・ビジュアルの力があります。

手元になかったら、○万出しても買うのに。

さらにCCCの増田さんも、この本に多大な影響を受けファッションの道に進んだと、
いろいろなインタビューで公言されている、もっと以前の浜野さんの本、
「ファッション化社会」はと調べてみると、

ポイントカードの脅迫

Aug 3, 2009

「買い物ポイント、1兆円規模に 相互利用拡大」 >MORE
好調ユニクロの昨年度の売上ですら5800億なので、 ものすごい金額がポイントとして企業に貯まってる!!
この貯まっているポイントを、仮に年1%で運用できたら、毎年100億の運用益が得られますね。 (単純にそういう話ではないですが。。。)
ポイント制は、店側がお客さんから無利子で借金できるシステムに近いので、 会計上は、一旦負債として計上されるそうです。 ですから実体としてお客さんにとって得なのかどうか?はかなりの疑問です。 期間が過ぎると失効しますし。 (この仕組みを考え抜こうとすると、寝れなくなりそうです。ポイント戦略恐るべしですね。)
とはいえ、スーパー、CVSからTカードなど、日常生活の中で使用するポイントカードを かなりの企業が採用しており、皆さんも1枚は必ず持っていると思います。
僕もあまり固執してはいないのですが、いくつかのポイントカードをやはり所有しています。
t02200147_0700046810225848954 先週、久しぶりに行った洋服店で買い物をしたときに、 お店のポイントカードを当然のごとく忘れていたのですが、
その時に瞬間的に思ったことは『損した!』でした。
同時に「アレ?」と思ったのですが、ポイントサービスってそもそも、 「得できて嬉しい!」というプラスの感情を得られるものだと、頭では認識していたのに、 「損したくない!!」という強迫観念のような気持ちのほうを、強く持ってしまっている。。。
これだけ社会にこのシステムが普及してしまった現状では、 「ポイントをうまく利用しないと、自分は損を被るのではないか?」という 脅迫観念のパワーが、ユーザーを増やす原動力なのかもしれません。
脅迫観念、もしくは恐怖心をあおる消費というのは、実はかなりの割合を占めています。 わかりやすいところではセキュリティ関係の消費。
実は、凶悪犯罪の件数は(殺人事件は昭和30年をピークにおおよそ減少をつづけてる) 減っているはずなのに、世の中は危険が増しているイメージが浸透している。
エコもある意味、これらと通じたところがあるかもしれませんが・・・。
やはり、現実のビジネスにおいては、 物事の「真理」を追究することよりも、人々の「心理」を読むことが、 成功の近道かもしれませんね!
かなりダジャレっぽいですが(笑)。

飴玉から大規模商業施設まで

Jul 14, 2009

 販売時期・値段など、詳細はヒ・ミ・ツ(笑)ですが。
このような仕事の話をすると、よく
「中村さんの仕事って何が中心なのですか? 」と聞かれたりします。
飴の商品企画やパッケージデザインも、大規模な商業施設の企画・開発も、 飲食店の業態開発もやっていて、何が中心というのはないのですが・・・。 というと、大体のかたは「?」という表情をされます。 僕の中ではある程度は同じ事をやっているつもりなのですが。。。 実はいろいろな仕事を、頭の中では同じようなフレームワークで捉えていて、 それほど違うことをやっているとは、自分では思っていないのです。 ホントに大枠ですが、

1. マーケットを把握する。
2. 今の武器(既存のブランド力・技術力・立地条件など)
    の強み弱み・特徴を把握。
3. 価値を最大限に引き出す企画を仮定する。
4. 仮定した企画を再度マーケットと照らし合わせ、調整する。
5. 最適な方法で実現する。 6. メンテナンスする。

だいたい、どんな大規模プロジェクトも、小さな商品開発も 以上のようなフレームが基本となるのではないでしょうか。 当然、プロジェクト毎に異なる要素は、書ききれないほどありますが。 商業に関わる世界で必要とされる人材でありつづけるには、 デザイナーであろうと、営業マンであろうと、設計者であろうと、 以上のようなフレームワークを頭の中に描きながら、 最適な解を見いだしていく必要があると思います。 なんか話がマジメすぎますね(笑)。 当然、クライアントによって求められる業務の規模が大きく、全体を任されるときも、 一部のパートをお願いされる場合も実は同じです。

大規模な商業施設計画をお願いされたときは・・・
1. マーケットを把握する→ 商圏は、対象となる人は?、競合は etc . . ? 2. 今の持っている武器→ 計画地の利点、弱点、原状の運営力、etc . . 3. 価値を最大限に引き出す企画を仮定する。→アパレル主体?新しいサービス?、etc . . 4. 仮定した企画を再度マーケットと照らし合わせ、調整。→ クライアントの反応、類似事例の再調査、ヒアリング etc . . 5. 最適な方法で実現する。→ 適した設計者の選択、テナントリーシング、etc . . 6. メンテナンスする。→ 売上の改善策、ハード的な修正、etc . . だと思います。

極端な話、1枚のチラシ作成のみをお願いされたときは・・・
 1. マーケットを把握する→ 対象となる人は?、ライバルはどうか etc . . ? 2. 今の持っている武器→ その商品・店の強み。媒体を抑えられる範囲、etc . . 3. 価値を最大限に引き出す企画を仮定する。→何を強調して見せるか?あるいは見せない?、etc . . 4. 仮定した企画を再度マーケットと照らし合わせ、調整。→ クライアントの反応、の意見、etc . . 5. 最適な方法で実現する。→ コスト・素材・効率良いサイズ、etc . . 6. メンテナンスする。→ 結果を見極め、修正点を見いだす、etc . . それはあたかもフラクタル構造と呼ばれる 離れてみても、近づいてみても同じパターンが現れる構造と似ています。 プロジェクト全体を統括するときも、一部のパートの仕事をするときも、 考える(見る)階層が変わるだけで、構造は同じ。 これは「ロマネスコ」という野菜ですが、フラクタル構造といって、 アップで見ても、引いて見ても同じような構造が現れます。 引いて見ると。。。 t02200165_0640048010213448589 アップで見ると。。。 t02200165_0400030010213474320 このように、僕の頭のなかでは、 どんな仕事も規模に関わらず、同じ構造を持っているのではないか?と思っていて、 取り組む姿勢、考え方は変わらないはずだと思っているのです。 この長々とした説明わかりにくいですね ↑これは引いてみてます(笑)