Case Studiesケーススタディ

人口が減少し新築戸建て市場も縮小するなか、こだわりの注文住宅を手がけるクライアントが、
ブランドイメージと顧客層の拡張に貢献する「ライフスタイル発信・交流のリアルな拠点」を実現

 

住まいづくりを軸とした、潜在顧客・将来顧客とのリアルな接点づくり

山梨県を中心にこだわりの注文住宅の設計・施工を数多く手がける「光と風設計社」より、現在の自社オフィス機能に、雑貨や家具ショップ、カフェなども併設した場を作りたいとの相談をいただきました。
私たちは、単に話題のスポットを作るのではなく、「光と風設計社が提案する『住まいづくり』の考え方や『心地良い空間』を発信・リアルに体験できる場づくり」を提案し、プロジェクトがスタートしました。

クライアントは商業施設の計画・運営実績はなく、また稼働中の自社敷地での開発となることから、以下の課題認識のもとプロジェクトを進めました。

● 心地良い環境やデザインに加え、集客・営業しやすい施設配置やテナント区画の確保など、商業の視点からの環境づくり
● 光と風設計社が提案したい「暮らしのイメージ」を広げ、施設全体の集客にも貢献するMDの組合せ
● クライアント直営ショップの業態開発と、商品MD構築やイベント等の運営サポート
● 事業計画や運営計画の策定、テナント協議や運営に必要な情報・資料の提供
● 同じ敷地内で本業を継続しながら解体・新築する、段階的な開発ステップ検討

 

プロジェクト初期の基本構想から施設オープンまで、幅広い業務を担当させていただきました。

 

 

プロジェクトの目的＝本業の更なる市場拡大につなげること

クライアントは既に山梨エリアで一定の認知とブランド力があるため、競合が多い低価格帯の市場に事業領域を広げるのではなく、現在の主要顧客層である「憧れの住まいを作りたい」「自分らしい暮らしを実現したい」人々への発信・交流の場として本施設を活用することで、現在のポジションを維持しながら顧客を拡大・更新する考え方をご提案しました。

住まいやライフスタイルと親和性が高いコンテンツを集積し、新しいつながりを創造

インテリアやガーデニング、「食」など、暮らしや住まいに直接関連するコンテンツに加え、趣味や健康づくり、学びの機会など、ライフスタイルを拡張するコンテンツをきっかけとして、様々な体験イベントを組み合わせることで、設計事務所のショールーム単体では訪れないような幅広い人々（潜在顧客／将来顧客）との新しい接点を創る考え方をご提案しました。

クライアントの主事業である「住まいづくり：設計施工会社のオフィス＋ショールーム・商談室」を核に、「ちょっと上質な生活体験」を提供する複合施設として、開発コンセプトを「Lifestyle Village：ライフスタイル ヴィレッジ」と設定しました。

 

◾️ 分棟形式でも一体感があり、心地よい「家の暮らし」を体感できる建築・環境デザイン

ヨガなどのイベントに活用できる大きなデッキテラスが特徴のA棟、ライフスタイルショップとショールーム機能が入り、切妻屋根など「住まい」の雰囲気が強いデザインのB棟、前面道路に向けて商業の賑わいを演出するC棟と、それぞれの役割と敷地形状を考慮して建物配置計画や建築のデザインを行いました。

また、外壁や軒裏、内装に自然素材を用いたり、大きく開放的な開口部、バルコニーやテラスの屋外空間など、「自然が身近に感じられ、心地よく過ごせる家」を体感できるポイントを各所に設けています。

 

◾️後背の山々を借景に、各棟のスキマ（共用部）に多様な活動の場を設けたランドスケープ計画

分棟形式の特徴を活かして、各棟をつなぐ屋外空間に中庭やテラス、多目的に使えるオープンスペースなどを点在させ、様々な過ごし方のシーンを創出します。これらのスペースは、通常時には店舗の商品や賑わい感が外部ににじみ出し、イベント時には屋台やキッチンカーのスペースとして活用できるなど、計画段階から具体的な活用方法をイメージしてデザインしています。

また、地被類から中木・高木まで植栽を多く配置し、豊かな緑が後背の山々の風景とも調和する、居心地の良い屋外空間を創造しました。

 

◾️ クライアントが提案するライフスタイルと親和性が高い、上質な日常を提案するMDを集積

クライアントが運営するライフスタイル（インテリア）ショップに加え、人気が高く広域からの来場が見込めるベーカリーやカフェ／レストラン、住まいと親和性が高いフラワー＆ガーデニングショップ、心身ともに健康的でリラックスした時間を過ごせるボディケア（エステ／ヘアサロン）などを集積。個々の店舗だけの利用でなく相互利用（買い回り）もできるため、住まいづくりの相談・打合せで訪れるお施主様にも様々な楽しみ方、過ごし方を提供します。

ガーデニングショップやベーカリーなど気軽に利用できるコンテンツがあることで、住まいづくりに関心がある人以外も日常的に本施設を訪れ、ここで過ごす時間を楽しむことができます。

 

◾️ ショールームと一体的につながり、豊かな暮らしを提案するライフスタイルショップ「FAV LIFE」

B棟は、来場者がショールームの敷居を感じることなく、さりげなくジーエムコーポレーションの世界観を体感できるよう、誰もが気軽に利用できるライフスタイルショップとショールームが緩やかにつながるゾーニングとしています。弊社では、建築や内装のデザインに加え、ライフスタイルショップの店内レイアウトや什器等のデザイン、運営に向けた様々なサポートも行わせていただきました。

1Fはライフスタイルショップをメインに、ナチュラルな雰囲気のモデルルームを併設しています。2Fはビンテージスタイルのモデルルームと、多目的に使えるワークスペースとライブラリー、打合せスペースなど、クライアントがお施主様（＋潜在顧客）とのコミュニケーションを高める機能を配置。打合せスペースのすぐ隣にキッズスペースを設けるなど、お子様連れの方が気兼ねなく住まいづくりの相談・打合せができるように配慮しています。

 

◾️ 施設全体でファンコミュニティを創り、育てる取り組み

本施設ではファンコミュニティを創り、育てることが非常に重要と考えており、基本構想段階からそのあt目の仕組みや仕掛け（場づくり）、テナント様との連携について検討を進めました。オープン後は、クライアントであるジーエムコーポレーションが主体的にイベント等を開催し、ファンコミュニティの拡大に取り組んでいます。

オープン時には、テナントだけでなく地域のネットワークを活かし、様々なイベントが開催されました。

 

◾️ ブランディングデザイン

自社ブランドである「光と風」を用い、商業の賑わいや楽しい雰囲気、心地よく過ごせる屋外スペース等を「マーケットコート」として、施設ネーミングを決定。ネーミングやコンセプトを踏まえたロゴデザインを複数検討し、最終的に「家」をシンボライズしたロゴデザインで、住まいや暮らしに関する施設であることを分かりやすく訴求するロゴデザインとしました。