今回長いです(笑)。
「伊藤忠がユニーと資本提携」、
「ファミリーマートがampm買収」
などの最近のニュースに限らず、 アパレル・オモチャ業界・子供服業界などなど・・
ほとんどの小売り業界の寡占化は加速する一方ですが、
一体この先に何があるのでしょうか?
生活の中の実感と違って、欧米との比較を数字から見ると、
実は、まだ日本はそれほど寡占化が進んでいません。
英国は2005年で、
食品チェーンストア上位8社による市場占有率は90.0%、
上位4社だけで76.0%だそうです。 日本は2002年ですが
総合スーパー部門の市場占有率は、
上位8社で65.7%、 上位4社で42.9%だそうです。
今でもすでに、寡占化がすごく進んでいる実感を持っているのに、
当然ながら更に進むことが予測されます。
そうなった時に、おそらく紋切り型で語られるのが、
「大手流通の進出が商店街を壊滅させてしまった」、
「コンビニが日本人の生活スタイルを寂しいものにしてしまう」
「寡占化する流通企業」=「悪」だという論調が繰り返される。
しかし、その論調にはどこにもブレークスルーがないことに、
そろそろ皆が気付くべきでは?と個人的には思います。
すでにインフラ化してしまっているともいえる大手流通を排除し、
過去に戻ることは現実的に不可能ですし、 商店街を昔の形で蘇らせることも
不可能なことは、誰もが気付いてはいる。
もはや、大手流通のインフラを自明のものとして、 その土台の上で、
生活を充実させたり、地域のコミュニティを 活性化する策を生み出すことが、
リアルに前向きな姿勢なのでは? と思います。
「A-Zスーパーセンター」という鹿児島の24時間スーパーセンターが
あるのですが、 過疎地とも呼べる場所で、周辺住民の生活を
唯一支える店になっていることが、 以前話題になりました。
公共バスが廃止された路線に済む高齢者の方のために、
片道100円の送迎バスを運行したり、 高齢の方が、
家にいるのは寂しいからと一日中店内にいらしたり。
もしこの店がなければ、一日1人で家にいたかもしれない方達が、
人が大勢いる空間にいられることだけでも、嬉しいと語る。。。
地方では欠かせない車を、可能な限りの合理化で安い中古車として販売したり、
地方でも多い、共働き夫婦のために深夜営業で様々なものが購入できたり、
定年を設けず、60代以上の高齢の従業員がいたりと。。。
本来、行政が取り組むべきことでは?と思えるようなことを、
地方の1スーパーセンターチェーンが行っている。
もう今の財政状況では、行政にはできないでしょうけど・・・。
穿った見方をすれば、一企業の提供するサービスで限定されてしまい、
偏った状況で良くないという人もいるかもしれませんが、
僕はこういった方向性を探ることを受け入れることが、
これからのコミュニティの活性化のブレークスルーの唯一の方法なのでは?
と思うことがあります。
話が長くなりましたが、 「過去を懐かしみ、現状を憂う(うれう)」のではなく、
「善悪を論じてばかりでなく、現状を受け入れて、前向きに活用する」しか、
僕らの生活に何もプラスを生み出さないのでは? と思った昨今でした。